MRIとタトゥーの新常識
MRI検査と入れ墨・金属 | 安全な検査のために
MRI検査を受ける際の、入れ墨・金属(歯科金属など)の影響と注意点を解説します。
MRI検査と入れ墨・金属の解説動画
MRIとタトゥーの新常識についての基本的な知識を学びましょう。
動画の解説文
近年、MRI検査を受ける方が増えていますが、タトゥーを入れている方は注意が必要です。 タトゥーのインクには、金属成分が含まれている場合があり、これらの金属はMRIの強力な磁場や高周波電磁波の影響を受ける可能性があります。 MRI検査中にタトゥーが発熱するメカニズムは、口の中に入っている歯科金属と同様に、放射線物理学、電磁気学、医学など複数の学問分野にまたがる複雑なものです。 そのため、専門家にとっても理解が難しい内容と言えるでしょう。 タトゥーインクに含まれる金属成分による発熱は、歯科金属に起きる、うず電流と同じ原理で説明されます。 MRI装置から発生する高周波電磁波が、タトゥーインク中の金属成分に作用し、ファラデーの電磁誘導の法則とローレンツ力によって、うず電流が発生します。 このうず電流が、金属成分の電気抵抗によって熱エネルギーに変換され、発熱を引き起こすと考えられます。 タトゥーインクに含まれる金属成分は、色によって異なります。
MRI検査と入れ墨・金属の影響
MRI検査は強力な磁場を使用するため、入れ墨や金属が以下のような影響を受ける可能性があります。
- 入れ墨の発熱:タトゥーインクに含まれる金属成分が、MRIの高周波電磁波により発熱し、皮膚に熱傷を引き起こす可能性があります。
- 歯科金属の発熱:歯科金属(銀歯、インプラントなど)が、MRIの高周波電磁波により発熱し、口腔内や周囲の組織に熱傷を引き起こす可能性があります。
- 画像の歪み(アーチファクト):入れ墨や歯科金属がMRI画像の品質を低下させ、診断精度に影響を与える可能性があります。
- 金属の移動や変形:強力な磁場により、金属が移動したり変形したりする可能性があります。
- 電磁波過敏症の方への影響:MRI検査による電磁波の影響で、電磁波過敏症の症状が悪化する可能性があります。
入れ墨インクに含まれる金属成分
入れ墨インクに含まれる金属成分は、色によって異なります。以下は、一般的な入れ墨インクに含まれる金属成分の例です。
- 黒:酸化鉄、カーボン
- 赤:硫化水銀、カドミウムセレン
- 緑:酸化クロム、水酸化クロム
- 青:コバルトアルミン酸塩
- 黄:硫化カドミウム
これらの金属成分は、MRI検査中に発熱や画像の歪みを引き起こす可能性があります。
MRI検査を受ける際の注意点
- 入れ墨をしている場合は、医師に伝える。
- 歯科金属を使用している場合は、医師に伝える。
- 検査前に、入れ墨や歯科金属の種類や状態について医師に相談する。
- 検査中に体調が悪くなった場合は、すぐに医師に伝える。
- 検査後に体調が悪くなった場合は、医師に相談する。
- 電磁波過敏症の方は、事前に医師に相談し、検査方法や対策について相談する。
記事執筆者プロフィール
経歴: 健康や電磁波環境について研究・発信する専門家。
専門分野: 特任教授、歯科放射線博士、元開業医